大判例

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仙台高等裁判所 昭和27年(う)234号 判決

(イ) 原判決が証拠に引用した原審第二回公判調書中証人阿部重雄、同阿部光雄及び同日野陽寿の供述として夫々論旨に指摘したような検察官の誘導尋問による供述記載の存することは所論の通りである。しかし刑事訴訟法上誘導尋問を禁止した規定がないのであるから誘導尋問が行われたとの一事によつてその証人の供述が証拠能力を喪失してしまうものと解すべきでないことは勿論である尤も証人に対する誘導尋問は刑事訴訟法第二九五条所定の所謂相当でない尋問として裁判長の指揮権によつて之を制限し、当事者においても異議を申立てることができるのであるが、それは証拠の証明力に関する問題であつて、証拠能力そのものに関する問題ではない。されば前記各証人の供述を記載した公判調書を証拠に採用したからといつてそのこと自体を違法とは謂えない。

(ロ) 公務執行妨害事件の公判調書中左の記載

(問は検察官の主尋問、答は証人大蔵事務官「二十二年」)

問 その時「課税の不当なのは甲が無茶な更正決定をしたからだ」とゆうようなことをいわれなかつたか

答 いわれました

問 甲と一勝負するとゆうようなことを耳にしなかつたか

答 そのようなこともいつておりました

問 それから「甲に不当な課税をされて俺は殺される」とか「誰かに依頼して税務署員の不正を調べている」ということを聞かなかつたか

答 そのことも話していました

(問は前同様、答は証人大蔵事務官「二十一年」)

問 その他何かいわれなかつたか

答 よく記憶しておりませんのでわかりかねます

問 今税務署員の不正を調査中だというようなことはどうか

答 はつきり覚えていません

問 どうせ死ぬなら一人で死なない、税務署員を道ずれにするというようなことを聞かなかつたか

答 そのようなことは聞きました

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